債券入門 〜債券投資の基礎〜
債券とは国や企業が資金を調達するために投資家からお金を借りる際に発行する借用書のようなものです。債券は一定期間で返却しなければならない義務が生じ、その期限が来ると貸した資金は戻ってきます。また、資金を貸した見返りに定期的に利息を受け取れます。
株式との違い
株式は株式を購入し、その企業の成長に沿って利益が受け取れます。期限はなく、売却するまでは返還されず企業側の返済義務もありません。一方、債券は国や企業が倒産でもしない限り、返済義務があり満期が来ると投資した資金が戻ってきます。なので株式に比べてリスクは低いです。
債券のリスク
1.信用リスク…国や企業が万が一倒産してしまった場合、または財政難に陥った場合、決められた利子や資金の返還ができなくなる場合があります。
※債券には格付けがあります。格付けとは発行体の信用力、返済能力を格付け機関というものが分析して出しているものです。債券を購入する上で参考にするものです。基本的に投資適格と言われるものが投資として評価され、投資不適格は投機的(利益は出せる可能性が高いが、損する可能性も高い)要素が含まれます。格付けが低いほど利率が高くなります。
投資適格 | AAA | 信用力が超高い | ||||||
AA | 信用力が高い | |||||||
A | 信用力が低い | |||||||
BBB | 信用リスク中 | |||||||
投資不適格 | BB | 相当の信用リスクを含む | ||||||
B | 信用リスクが高い | |||||||
CCC | 信用リスクが超高い | |||||||
CC | 返してもらえないor利息の滞りあり | |||||||
C | 返してもらえないor利息の滞り大あり | |||||||
D | 返してもらえないor利息の滞り超大あり。 |
格付け機関ごとに異なる。「+、-」や「1、2、3」などで組み合わせの場合もある。
2.価格変動リスク…債券は満期まで保有せずに途中で売却することができます。債券も日々価格の変動はあります。基本的に金利が上がると債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇します。なお、満期まで保有すれば投資資金は全額戻るため、価格変動はありません。
3.為替変動リスク…債券には円で買う円建て、外貨で買う外貨建てがあります。外貨で購入した場合、外貨で資金が戻っても為替の状況で円にした時に損が出る可能性があります。
債券のメリット
1.安定して利子を受け取れる…債券はあらかじめ利率と利払い日が決められており定期的に利息が入ってきます。この利率は債券を購入した時の利率で満期まで固定されます。
2.銀行預金よりは利子が高い…株式ほどではありませんが銀行預金に比べればもらえる利息は高いです。
債券の種類
債券には色々ありますが代表的なものを挙げます。
•円建てと外貨建て
1.円建て債券…国内で発行されている債券です。国債、地方債、社債などがあります。円で取引されています。
2.外貨建て債券…海外で発行されている債券です。円ではなく、その地域の通貨で取引されています。満期や利息、売却時に外貨で受け取ります。国債だけではなく社債もあります。
•新発債と既発債
1.新発債…新しく発行される債券です。額面(発行時の価格)が決まっています。
2.既発債…既に発行されたものが市場に出ている債券です。前にも書いた通り債券は満期まで保有せずとも途中で売却可能です。売却された債券を購入できるといった感じです。価格は市場のバランスで決まり発行された時のものから比べると変動があります。
いずれも証券会社で取り扱い商品は違います。
その国の金利や格付けによって利率は変わってきます。一般的に格付けが低いほど信用リスクが高く利率が高く設定されています。また、既発債を購入した際は購入価格によって利回り(値上がり損益、利息を含めどの位利益を出せたか計算したもの)が変わってきます。
分散投資について
債券は株式より価格変動が小さく、違う値動きになりやすいため分散投資になります。もし株式が暴落などで大きく下落しても債券を保有していることで、ダメージを軽減できます。
まとめ
・債権とは国や企業が発行している借用書のようなもの。お金を貸すといった感じ。
・債権は満期というものがあり株式とは違い、返済義務があり満期まで持っていれば投資資金は帰ってくる。保有中は定期的に利息が入ってくる。利息は利率で決まる。株式よりもリスクは低い。
・国や企業が破綻したり財政難になると投資資金が返ってこなかったり、利息が払われないこともある。リスクの有無は格付けという基準がある。
・債権を途中で売却する場合、市場の価格がありその価格で取引される。価格によっては売却益・損になる。
・債権には円建て(日本円での取引)と外貨建て(外貨での取引)がある。外貨建ては為替の影響を受けて損を出すことがある。
・新発債(新規で発行されたもの)と既発債(すでに発行されたもので市場で売買できるもの)がある。
・株式と組み合わせることでリスクの分散ができる。
債券も株式同様知識と計画が大事です。株式よりは値動きも緩やかで満期まで持てば額面分は戻ってくるので計画が立てやすいです。ちなみに私も債券を保有しています。全て米ドル建のものです。債券もうまく活用しながら資産を確実に増やしていけるように頑張りすぎず、頑張りましょう。
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